イベント情報
お知らせ
 ・映画上映時間変更

開催した催し
 ・シンポジウム
 ・世界のお茶喫茶
 ・ハローウィーンパーティー
 ・ドキュメンタリー映画
 ・南米料理にチャレンジ
 ・世界の異文化体験
 ・カリグラフィー教室
 ・交流パーティー
 ・記念講演と討論会
 ・オープニングパネル展

10/7(火)〜13(月)
JR函館駅イカす広場
25周年オープニングパネル展

10/14(火)〜17(金)
国際交流センター内ラウンジ
25周年メモリアルパネル展開催

10/18(土)函館国際ホテル
記念講演と討論会
「国際交流と子どもの教育」

10/19(日)国際交流センター極東駐車場
市内留学生との交流パーティー

10/20(月)国際交流センターラウンジ
カリグラフィー教室

10/21(火) 国際交流センター内大会議室
世界の異文化体験

10/22(水)国際交流センター内大会議室
国際ドキュメンタリー映画上映

10/22(水)あいよる調理室
南米料理にチャレンジ!!

10/23(木)国際交流センター内大会議室
国際ドキュメンタリー映画上映

10/23(木)国際交流センター内大会議室
ハロウィンパーティー

10/24(金)国際交流センター内大会議室
国際ドキュメンタリー映画上映

10/24(金)国際交流センター内第1会議室
世界のお茶喫茶

10/25(土)函館国際ホテル
シンポジウム
「国際交流から地球共生へ」
分科会

親善パーティー


HIFロゴ 北海道国際交流センター25周年
国際交流
フェスタ
2003

おもしろ体験がいっぱい。ドキドキがいっぱい。

Go Back HIF website

■メタル&メランコリー
* オランダ/ 1993 / スペイン語
* カラー/ 16mm / 80分
【日本語字幕】
< 内容 >
 多彩なタクシー運転手の語りと助手席からみえる風景で、ペルーの首都リマを切りとったユニークなロード・ムーヴィー。ペルーは過去10年間の経済の悪化により、あらゆる階層の人々がサイドビジネスに手を出さざるをえない状況になっている。ここに登場するタクシー運転手も、教師、経済学者、俳優、シークレットサーヴィス、主婦などさまざまな本業をもった人たちばかり。リマで生まれ育った監督エディ・ホニグマンは、そうした運転手の道すがらの話をひたすら綴っていく。国民性のなせる技か、彼らがぼろぼろの車を動かしながら披露する話はいずれも人生の教訓、感情、情熱と苦悩、そして希望に満ちている。その話の端々から、この国の真実の姿、ラテン・アメリカの実像が見えてくるわけだが、むしろホニグマンの人々に対する想い、愛が画面から香たち、みる者のペーソスを掻き立てる、それはひとえに監督の人間性、オプティミスティックな視点によるものだろう。


■イラン式離婚狂想曲
* イギリス、イラン/ 1998 / 英語、ペルシャ語
* カラー/ 16mm / 80分
【日本語字幕】
< 内容 >
 その建物には2つの入り口がある。一方には、肩を怒らせ階段を駆け上がる男達の姿があり、もう一方には、チャドルに身を包み、俯いて歩む女達の影が揺らめく。性差によるダブルスタンダードを隠そうともせず、むしろ誇示するかのような
 家庭裁判所の威容は、イランという国家の重層的な差別の構造を象徴し、その深淵に分け入る女達の苦悩を垣間見せる。
 男には自由意志による離婚が認められ、女にはその権利がないイランでは、“妻”が離婚を申し立てるためには、実人生の総てを賭けざるを得ない。権利を剥奪された女達は、抑圧の象徴であるチャドルの裾を翻し、声の続く限り自由を渇望するかのような叫び、泣き、訴え、微かな希望にすがろうとする。
 これまで、女性のみによる撮影を一貫して行ってきたロンジノットは、今回、人類学者であるミル=ホセイニと共に困難な課題に挑み、予想以上の結果を引き出したと言えるだろう。 
 弱者の痛みや被差別者の抑圧状況を訴えるだけでなく、この淡々とした映像には、女達の意志と未来を浮上させる底深い揚力が潜んでいる。無個性なチャドルの下の表情は、権利を主張する度に豊になり、秘められた強烈な個性が輝き始める。
 単に家族制度の問題にとどまらず、改めて、自由の意味を観る者に問う、貴重な示唆に満ちた作品である。


■選択と運命
* イスラエル / 1993 / インディッシュ語
* カラー/ 16mm /118分
【日本語字幕】
< 内容 >
 この映画のツィピ・ライベンバッハ監督と彼女の両親は現在、イスラエルに住んでいる。80歳の父親と72歳の母親は第2次大戦中のホロコーストの生存者で終戦後、夫婦は再建されたこの国は移住した。それより約半世紀の時が流れホロコースト体験者は少なくなり、記憶は忘却の方向へ流れ始めた。監督は未だにその事に関して心を閉ざしている自分の両親をより深く理解する為に、あえて両親にキャメラを向け、自分を生んでくれた彼らにホロコーストの体験談を聞き出そうとする。
 撮影は両親が住む家、近所の公園、市場など、日常の生活空間で行われた。食事の支度、テーブルの空間など、毎日のさりげない行為の中から、まず父親が淡々と、そして次第に母親も自分の体験談を語り始める。長年の生活から浮き出る夫婦も性格までをとらえた映像の中に人間の苦しみ、忍耐、そして克服の姿が力強く伝えられる。


■ママ・カレ
* オランダ / 1990年作品 / スペイン語
* 16mm / カラー / 63分
【日本語字幕】
< 内容 >
 ベルリンの壁が崩壊する前、この映画の監督であるシビル・シェーネマンとその夫は、社会主義国家の権威と法を無視したという理由で、実際に逮捕され懲役1年の判決を下された。彼らはその前に国を出ることを願い出ていた。1985年、二人は西ドイツに追放された。そして今、ドイツの再統一の後、この監督はカメラをもって、あの時起こった事柄を分析し、理解するためにその地に戻る。彼女はいろいろな質問の答えを得ることができるであろうか。彼女の判事、役人、弁護士等、その時彼女の運命を定めた人々を追跡する。そこには無数のボルトで堅く締められた扉や門がある。開いているものもあり、通過不能な壁として閉じたままのものもある。暗い廊下と錠のかかった監房は重苦しい閉所恐怖症の印象を刻む。監視員の鋭い目は絶え間なく私達を虐げる。これは国家の専横さ、報復、厳重な支配についての映画である。これはまた、無力さ、盲目に服従すること、責任感の欠如について問う作品である。上からの命令は、質問することなしに即座に実行しなければならないというはかりきれないほど巨大な国家機構の中で、人間は単なるちっぽけな歯車にしかみえない。


■不在の心象
* ドイツ/ 1998 / スペイン語
* カラー、モノクロ/ 16mm / 89分
【日本語字幕】
< 内容 >
 ベルリンで映画を学んだヘルマン・クラルは、幼いときに父親の長い不在と両親の別居を体験し、その記憶が彼の生き方に影響を与えていた。彼は、両親が離れた理由、ひいては自分自身を再発見するために故国アルゼンチン、ブエノスアイレスに戻っていく。内省的な幕開きから、映画は監督の旅日記の側面をもちながら、両親、祖母にインタビューしていくなかで、次第にその真相が明らかにされる。ホルヘ・ルイス・ボルヘスのインタビュー、ガルデルとタンゴといった要素を通してアルゼンチンに生を受けた監督の自己認識が深まっていく。自分探し、トラウマの記憶が入り口だが、ここに描き出されていくのは、愛というあやふやな感情の顛末、人生、老いと死。極めてプライベートな内容を描きながらも、万人が共感しうるテーマが導き出される。ヴィム・ヴェンダースをほうふつとする白黒映像から始まりながら、徐々に陽気なイメージが画面に滲み出てくる。監督の一途な若々しさがまことに好ましい。


■放課後
監督・製作 小林茂
演出、撮影、ナレーション 小林茂
完成・1997年11月
16ミリ20分
< 内容 >
 この映画は北海道札幌市にある学童保育所の一日を記録した作品である。
学童保育とは小学生を対象に放課後から夕方まで親がわりとなって子供を預かり保育をする所で全国的な制度のもとに存在する。子供たちはそこで自由に遊んだり、仲間たちとコミュニケーションをとることができる。
 映画は札幌市にある民間の共同学童保育所「しらかば台つばさクラブ」を取材した作品である。小林監督は写真展開催のために北海道を訪れた際、このつばさクラブを訪れ、子供たちの表情に懐かしさを覚え彼らの生き生きとした姿に魅入られて3月のある午後、4時間(それはちょうど放課後の時間そのものである)にわたってクラブを一気呵成に撮影した。 その撮影を20分に編集したものが本編である。
 この映画には遊ぶ、すなわち子供たちが自らのエネルギーによって自分たちを開放していく力のベクトルのようなものが感じられる。それにしてもこれほど身近に子供たちの遊ぶ姿を捉えた映像も稀である。学童保育関係者のみならず広く一般の映画ファンにも薦めたい一作である。

■わたしの季節(予告編)
監督・撮影:小林茂 2004年完成予定 16ミリ カラー
< 内容 >
 「夜明け前の子どもたち」から30余年。同じ舞台に成長した人々がいる。施設で暮らし続けた人々の存在感を探る映画。撮影中の一部をまとめたイメージ映像として提示。
 *第二びわこ学園/1963年開設の重症心身障害児・者療育施設の第二施設として、滋賀県野洲町に66年開設される。新潟出身の利用者も多くいた。66年の映画「夜明け前の子どもたち」で広く世に知られる。施設老朽化による新築移転を05年に控え、現在映画「わたしの季節」が撮影進行中。02年には、同園の利用者による粘土作品を紹介した「にゃにゅにょ・土がわらう 新潟絵屋展」が開催された。

小林茂監督プロフィール
 1954年新潟県生まれ。「福祉」を問い続ける故・柳沢寿男監督の助監督を経て、ドキュメンタリー映画『阿賀に生きる』(監督:佐藤真)の撮影により日本映画撮影監督協会第1回JSC賞受賞(1992年)。過疎の地域医療をテーマにした『地域をつむぐ』(監督:時枝俊江)の撮影。アフリカのウガンダの孤児達を写真取材、全国で写真展「ウガンダに生まれて」を開催(1996年〜)。北海道の炭鉱に生きた人々の記録映画『闇を掘る』(監督:藤本幸久)を撮影。常時介助が必要なマサヒロさんと、40人のユーモラスな人間模様を描く「ちょっと青空」(2001年)。重症心身障害児施設の粘土活動を紹介する「にゃにゅにょ新潟絵屋展」企画(2002年)。現在、第二びわこ学園のドキュメント「わたしの季節(仮題)」を製作中。 本作が第1回目の監督作品となる。