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子どもたちに
「食」の支援を。

子どもたちに
「食」の支援を。

点と点をつなぐ。

社会にはさまざまな理由で困難に直面し、支援を必要としている人がいます。一方で、それに手を差し伸べたいと考える人もいます。ただそれを、いつ、誰に、どのような方法でできるのか、それがわからず形とならないケースもあります。

世界の中の先進国として、経済発展をした今の日本で、充分な食事を摂ることができず、成長に必要な栄養が足りていない子どもたちがいます。子どもたちを守り育てることは、私たち社会の未来を守るということ。そのためには、地域で支え合う、という意識が必要です。

支援を求める人と、何某かの方法で支援をしようとする人。HIFは、その点と点を一つ一つ丁寧につないでいく、その役割を担いたいと考えています。

今、子どもたちの食への支援が求められています。

現在、日本では子ども(17歳以下)の7人に1人が貧困状態にあるといわれています。特にひとり親家庭の貧困率は半数近くにも及び、先進国の中でも最悪な水準です。子どもの貧困は、暮らし・学び・成長に関わるさまざまな営みに影響を及ぼします。中でも食生活に直結し、栄養不足はもちろん、「孤食」といった問題も生まれています。この状況の改善を目指し、地域住民や民間団体が主体となって取り組む活動が「子ども食堂」です。

「子ども食堂」には、困難を抱える子どもたちへの支援ということの他にもさまざまな可能性があります。少子高齢化や核家族化が進む中、希薄になった地域のつながり、人との関わりを再構架する場としての役割も期待されます。例えば、「子ども食堂」は地域の高齢者がボランティアで活動しているといったケースも数多くあり、高齢者や子ども、その親が世代を超え、同じ時間を共有することで、「共食や旬の食材に触れるなどの食育」の機会も持て、子どもを遊ばせながら親もゆっくりと寛ぎ、親同士の交流の場ともなります。ひとり親家庭の場合、親が孤立しがちな場合も多く、「子育て支援」という側面も持ち合わせています。

「子ども食堂の3つの機能」

食を通した支援、居場所の提供、情緒的交流

「子どもの貧困率」

大人も含めた国全体の「相対的貧困率」とともに厚生労働省が3年に1度公表するもの。相対的貧困とは、その国や社会で多くの人たちが享受できている生活水準を送れない状態を指す。目安は、等価可処分所得の中央値の半分(=貧困線)以下となる。2018年の最新の数字は13.5%。実数にすると、日本の17歳以下の人口は約1890万人に対し、約255万人という数にのぼる。

「主要7カ国の
子どもの貧困率」

参照/OECD Income Distribution Database
「国民生活基礎調査」(厚生労働省)

「子どもへの食支援」の北海道の窓口として、HIFは活動しています。

子ども食堂の様子

HIF(一般財団法人北海道国際交流センター)は、自らの「子ども食堂」の運営経験も踏まえ、企業から寄贈された食品を道内各地で子どもの食支援活動を行う団体へ送り届けるため、一般社団法人全国食支援活動協力会が運営する「MOWLS(モウルズ)」の活動に参画し、コーディネート業務を担っています。これは全国の子ども食堂等の、「居場所」に集う子どもから高齢者等すべての人が食事を得られる環境をサポートしようという取り組みです。ただし、他の都府県に比べ広い面積も持つ北海道では、地域の企業のご協力が不可欠です。どうすれば支援していただける企業の負担が少なく、持続的な活動ができるのかを、みなさんのご意見もお聞きし、考えていきたいと思います。

「MOWLS(モウルズ)と
全国食支援活動協力会」

● MOWLS(モウルズ)」とは、ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステムの略称で、一般社団法人全国食支援活動協力会が運営する全国のこども食堂等の、「居場所」に集う子どもから高齢者等すべての人が食事を得られる環境をサポートするという取リ組みです。これは休眠預金事業をはじめとした助成財団・民間企業からの寄付によって運営され、食支援を行う団体や自治体から、食品寄贈が受けやすいよう、冷凍・冷蔵設備を含む保管スペースをもつ拠点を全国に整備し、あわせて、流通をサポートするWEBシステムの開発、企業・行政への学習会を開催しています。「MOWLS」は支援者からの寄贈が効率的に運搬・仕分け・分配されることで支援者の負担を軽減し、活動者への支援が充実することを目指しています。一団体ではできないことを多様な業種の参画により実現するべく、学習会等を通じて課題共有・情報交換を行っています。

●全国食支援活動協力会は、1985年、オーストラリアで開催された独り暮らし高齢者のための配食活動や会食会を運営する団体による日豪シンポジウムをきっかけに設立されました。やがて活動の幅は広がり、全国各地で食支援活動を展開する市民活動団体を、地域課題の解決のために、省庁、自治体、議会、企業、さまざまな中間支援団体など多様な機関と連携をし、支援することで、「食」を通じたコミュニティを広げ、あらゆる世代の豊かな食環境の整備をめざして活動しています。

全国食支援活動協力会

「休眠預金活用制度事業」

MOWLSの活動の一部は、「休眠預金活用制度事業」によって支えられています。この制度は、休眠預金等活用法に基づき、2009年1月1日以降の取引から10年以上、その後の取引のない預金等(休眠預金等)を、民間公益活動に活用するというものです。

休眠預金活用事業サイト

※HIF(北海道国際交流センター)は休眠預金制度事業を活用し、物流ネットワーク整備を行っています。

寄贈食品が活動団体の手に届くまで

寄贈食品が活動団体の手に届くまでのフロー
※ 図をクリックすると拡大します。

HIF は2016年から「子ども食堂」の運営にたずさわってきました。

HIF(一般財団法人 北海道国際交流センター)は1979年から外国人留学生のホームステイの受け入れをはじめ、在日外国人や外国人旅行者の支援(HELP DESK)、また日本語教師の育成や日本人学生の留学相談など、さまざまな国際交流に携わってきました。やがてその活動は若者就労サポートや生活困窮者支援、環境保全·温暖化防止問題、SDGs推進事業と広がっていき、2016年から「子ども食堂」の運営もスタートさせ、困窮世帯の子どもの支援、食育といったテーマにも取り組んでいます。未来ある子どもたちを地域で守り、育てる、といった意識を持つことは、私たち大人の責任であり、ひとまかせではなく、自分たちの問題として捉え、社会全体で関わっていくことが必要だと考えます。

HISTORY

1979

前年、七飯町の農協青年部が国際交流の一環としてアメリカ・オレゴン州立大学の学生のホームステイの受け入れを行ったことがきっかけとなり、外国人留学生を一般家庭で受け入れる試み「国際交流のつどい」がスタート。名称を「南北海道国際交流センター」と決定。
以後、現在に至るまで留学生のホームステイの受け入れを軸に、国際交流に関わるセミナーやシンポジウム・日本文化の体験会・各種講演会・外国人弁論大会・日本語教師養成セミナー・ワークキャンプの他、さまざまなイベントを定期的に開催。

国際交流のつどいの参加者の船上での明るい集合写真、HIFの旗を囲むように写っている
1984 財団法人南北海道国際交流センター設立
1985 第1回国際交流奨励賞地域交流奨励賞受賞
1986 財団法人北海道国際交流センターに名称変更
1991 外務大臣表彰受賞
1993 第1回北海道地域文化選奨受賞
2010 はこだて若者サポートステーションオープン
2014 クルーズ船インフォメーションデスク開設
2015
  • 北海道ワークキャンプセンター設立
  • 生活就労センターひやま事業・生活困窮者等学習支援事業
2016 「にこにこ子ども食堂」開始
2017
  • 渡島地域人材地元就職支援事業
  • 学習支援「はこだてらこや」事業
  • 生活就労サポートセンター渡島事業
2020 コロナ禍で困窮する家庭や学生を支援するためのフードバンクを開始
2021 子どものための食の支援システムMOWLSに参加

HIFが運営する「にこにこ子ども食堂」の活動に
ご理解・ご協力をお願いします。

HIFの「にこにこ子ども食堂」は、毎週金曜日、子どもたちに無償で食事を提供しています。さまざまな企業や団体、個人のみなさんからの支援によって支えられています。近年意識の高まりとともにご協力の申し出も増え、例えばコロナ禍の中でフードロスが増加した企業・飲食店などから食材を提供 していただきました。この活動を安定的に継続するために、さらなるご支援をお願いいたします。ご家庭に眠っている食品(賞味期限内のもの)や、企業や商店、農家の方で販売できなくなった野菜や果物、加工食品など、ぜひ「にこにこ子ども食堂」にご提供ください。